東京グラトンズ|食材ガイドブック:豚肉

豚肉

豚肉

基礎知識日本人が肉類の中でもっともたくさん食べているのが豚肉です。
明治時代以降肉食が奨励されるようになって最初に普及したのは牛肉でしたが、明治末期に銀座の洋食屋レンガ亭で「トンカツ」が発明されたのをきっかけに広く普及しました。
肩、肩ロース、ロース、ヒレ、ばら、ももなどの部位がありますが、どの部位も価格的にそれほどの違いがないのが魅力。最近は、放牧豚や黒豚、SPF豚、金華豚、イベリコ豚など、いわゆる銘柄豚が人気です。

栄養豚肉といえばやはりビタミンB1。牛肉の約10倍も含まれており、食品全体の中でもトップクラス。疲労回復や滋養強壮にぴったりの食材です。
ビタミンB1は、にんにくやねぎ、玉ねぎなどに多く含まれるアリシンと一緒に摂ると体内への吸収率が高まります。
また、当然たんぱく質も豊富。必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。

部位●肩
首から前足にかけての部分。ほどよく脂肪があり、しっかりとした旨みがあります。カレーやシチューなど長時間煮込む料理に向いています。

●肩ロース
肩肉の後方、ロース側の部分。赤身の中に脂肪が網状にまざり、きめはやや粗く硬めですが濃厚でコクのある味わいです。焼豚やしょうが焼きなどに向いています。

●ロース
背中のちょうど中央部分。きめが細かくやわらかく縁についた脂肪に旨みが凝縮された濃厚な味わいです。トンカツ、ポークソテー、豚しゃぶなどに向いています。

●ヒレ
ロースの内側の部分。もっともきめ細かくてやわらかい部位。脂肪が少なくて淡白な赤身肉でビタミンB1が豊富です。トンカツやステーキ、油を使う料理に向いています。

●ばら
胸からお腹にかけての部分。赤身と脂肪が層になっていて「三枚肉」とも呼ばれます。脂肪が多く濃厚なコクのある味わいです。角煮や焼豚、焼肉、炒めものなどに向いています。骨付きのばら肉はスペアリブと呼ばれます。

●もも肉
おしりから後ろ足にかけての部分。脂肪は少なくきめの細かい赤身肉でさっぱりと淡白な味わいです。ハムの原料に使われる部位。ローストポークやソテー、焼豚などに向いています。


目利きのポイントつやのある淡いピンク色のお肉が良質です。きめが細かく切り口がなめらかなもの、脂肪の部分は白か乳白色で粘りのあるものを選ぶようにしましょう。
脂肪の部分が黄色くなっているものは避けた方がよいでしょう。


下ごしらえのポイント豚肉はたとえSPF豚であってもしっかりと火を通すことが基本です。
ロース肉などを焼く場合は脂肪と赤身の間の筋を数ヶ所包丁で切って縮みを防ぎます。また、肉叩き等で肉を軽く叩き、繊維をやわらかくしておくとよいでしょう。肉の表面が硬くならないよう、塩は焼く直前にふります。
揚げる際は、フライ衣をつけたら、しばらく寝かせて衣と肉をなじませます。
焼き豚やローストポークなどのかたまり肉を調理する際は、たこ糸でしばると熱の通りが均等になります。


保存のポイント豚肉はラップでしっかり包み保存袋に入れてチルド室等の低温で保存しましょう。冷蔵の場合は3~4日が目安です。
冷凍すれば長期保存が可能です。その場合トレーから出し、できるだけ新鮮なうちにラップでしっかり包み保存袋に入れて冷凍します。