鰹の旬は年に2回。春の時期の初鰹と秋の時期の戻り鰹である。
2月から6月頃まで、黒潮にのって太平洋岸を北上する時期に漁獲したものが初鰹、9月から11月まで、水温が低下するとともに南下してきたところを漁獲したものが戻り鰹だ。
初鰹は初物として昔から人気があるが、いわゆる食通は「鰹は戻り鰹に限る」と言う。三陸沖でたっぷり餌を食べまるまると太った戻り鰹にはしっかりと脂がのっており「トロ鰹」とも呼ばれるほどだからであろう。好みは人それぞれながら、現代人の味覚指向を考えるとやはりより美味しいのは戻り鰹ということか。
ちなみにその脂の量を比較すると、初鰹が3%程度であるのに対し戻り鰹はその約3倍、10%にもなるという。