東京グラトンズ|グラトン食彩記:ソムリエナイフ

グラトン食彩記

ソムリエナイフ

ソムリエナイフ

シャトーラギオール。世界の名だたるソムリエが使用しており、ワイン愛好家の間でも人気の高い高級ソムリエナイフである。

名前の「ラギオール」とは、フランス南西部オブラック地方アヴェロン地域に位置する小さな村「Laguiole」のこと。「ラギオール」という発音はパリ風のもので、現地近くでは「ライヨール」と発音するのだとか。古くから酪農と鍛冶で栄えた小さな村だが、現在ではソムリエナイフの生産地として世界的に有名だ。

少々ややこしい話なのだが、シャトーラギオールは実はLaguiole村ではなく、そこから160kmほど離れたオーベルニュ地方のティエールという村で作られている。一方Laguiole村で作られ、ライヨールと名乗るソムリエナイフも別途あり、両者はそれぞれ「我こそが本物」と主張し合っているらしい。

まあその主張はさておき、どちらも高品質なソムリエナイフであることは確かであろう。

ちなみに虫のように見えるトレードマークはミツバチである。その昔、Laguiole村出身の兵隊たちが皇帝ナポレオンに度重なる戦場でその勇敢さを認められ、皇帝のマントに飾られているミツバチのシンボルを彼らの刀につけることを許されたのが始まりだという。

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